自己又は他人の権利

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 正当防衛は、「自己又は他人の権利」を防衛するために行われる必要があります。ここで注目してほしいのは、自己の権利のみならず、他人の権利も防御対象として認められていることです。つまり、「急迫不正の侵害」に曝されてさえいれば、自分自身だけでなく、家族や友人、ひいては見ず知らずの人のために実力行使をすることが許されるのです。これは、緊急救助と呼ばれていますが、被侵害者本人が事実上防衛行為をなしえないとき、本人に代わって防衛行為をなすことを他人に可能とするものです。ちなみにここでいう「他人」には、国家も含まれますが、単に法秩序を擁護するために正当防衛の成立を認めることには問題があるとされており、限定的な場合にのみ、公共的利益を被侵害法益とする正当防衛が認められるといえます。

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